保護猫のいる映画部屋

猫と映画とドラマと暮らし☆

映画「あんのこと」

この映画を観たのは、少し前のこと

絶望・哀憐・怒り・・・救いの見えない結末に

胸が押しつぶされそうな気持になりしばらくは感想も言えなかった

まして、これが実話をベースにしているということ

分かっていたことだが、弱者には冷たい社会だと改めて感じさせられた映画だった

 

主人公あん(21歳)は、幼い頃から実の母親に虐待を受け、その母親に売春をすることを強要されてきた

 

客から打たれた覚せい剤の依存症にもなっている

 

ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べられる

風変わりな担当刑事、多々羅と出会い、初めて信じてもいい大人だと感じはじめる

そして多々羅刑事から更生の道へと導かれていくのだが

 

彼にも裏の顔があり、

また流行し始めた新型コロナウイルス感染症により

通っていた学校や働き始めた介護施設にも行けなくなり

ようやく手にした自分の居場所を失うことになる・・・

 

あん役の河合優実さんの表情が言葉少ない彼女の思いを

とてもよく表していた

 

あんの母親を毒親だ、最低だと言うのは簡単だが

あんが生まれたということは父親がいるはずだ

ここまでクズな人間に成り下がれた背景を考えるとまた苦しくなる

   ただどんなことがあっても娘は売らない!

 

幼い頃から地獄のような生活を強いられてきたあんが

働き始めた介護施設で初めて人間らしく扱われ、表情にも変化が出てくる

どうかこのまま幸せな生活を続けていってほしいと祈るような気持ちで見ていたが

弱い立場の人たちに、この社会は情け容赦なく冷酷だった

 

最後はどうなるかは書けないが

 

ラストに近いところで、あんがコロナ禍に飛ばされたブルーインパルスを見上げるシーンがとても印象的だった

 

 莫大な費用で飛ばされたブルーインパルス

 どこまでも救われない弱者

そのお金でこんな境遇の子供たちを救えないのか・・・

 

こんなに心が苦しくなった映画は「ダンサーインザダーク」以来かもしれない

 

アマプラで観られますが、

心が健康な時に観てください☆

 

今日の我が家の猫画像

今日の映画のお話は悲しかったので

現役組のふたり、保護猫4号のりちゃんと5号雪ちゃんの

おばあちゃんでも食欲旺盛♡ご飯おかわり~の写真☆で♪