保護猫のいる映画部屋

猫と映画とドラマと暮らし☆

映画「ハイヒールの男」

2014年 韓国映画

 

サイボーグ人間かのような戦闘能力を持つ刑事ユン・ジウク(チャ・スンウォン

 

筋骨隆々とはこういうことを言うのかというくらい完璧に美しい肉体に無数の傷跡

犯人を捕まえる時にも拳銃は使わないからだ

 

犯罪組織からも警察からも一目置かれる存在だが

彼には抱えている大きな心の傷と秘密があった

 

性自認が女性であること

 

かつて始めて愛した同級生は周囲からの理解の無さに自殺をしてしまう

 

救えなかったことへの後悔、数々の偏見、隠し続けている苦悩からなのか

悪に対しては執拗なくらいに暴力的になる

 

そして、あるきっかけからとうとう刑事を辞め自分の本当の気持ちに従う決意をする

 

女性になる手術を受けるために海外に向かおうとするユン・ジウク

空港での出国の手続きも済み、今から旅立とうと言う時にある知らせが入る・・・

 

― 以下若干のネタバレ入ります ―

 

韓国映画のアクションシーンは目を覆いたくなることがある

見ているだけで痛くなるからだ

 

あれだけのアクションを演じられる役者さんたちの日頃の鍛え方を思うとプロだなと感心する

 

ただの暴力刑事を描いたアクション映画か?と思って観ていたが違っていた

 

自分を偽り続けて生きてきた主人公の苦悩が心に痛かった

 

世間の偏見と”からかい”から自分を守るためなのか

一般的に言われている”男の中の男“になって生きている

  この表現、好きではないが・・・

 

周りから「望まれる人」になることと「本当の自分」の間にある乖離はLGBTQの人達だけのことではないのかもしれないが

性的マイノリティ当事者の方たちの葛藤はきっと当事者でないと分からないものなのだろう

 

守りたい人を守るために引き返してしまったユン・ジウクが悪党たちを倒して傷だらけになった体でタクシーに乗っているとき

 

履いて行くはずだった自分のハイヒールを、血に染まった手でそっと触れるシーンが切なくて辛くて涙が出た

 

彼があるがままの自分として生きられる日が来るのだろうか・・・

 

“あるがままに””自分らしく“など言葉では簡単に言えるが

そのようにして生きている人はどれくらいいるのか?

 

この世からあらゆる差別と偏見をなくし

全ての人が解放されることはまず不可能なんだろう

 

今、世界を見渡すと(日本も例外じゃないが)

解放とは逆に進んで行っているように見えることもあるが

映画や文学で表現されることで何かが変わっていくかもしれないと言う希望だけは持っていたい

私には観て、読んで応援するくらいしか力はないのだが・・・

 

映画「ハイヒールの男」

さすが韓国映画と思える激しいアクションシーンとチャ・スンウォンの切ない演技が印象に残る作品だった☆

 

アマプラで観られます☆

お時間の或る時に是非♪

 

今日の我が家の猫画像

保護猫4号*現役組ののりちゃん♪

まだキャットタワーに上がれた若い頃

今はこんな高い所には登れません

おばあちゃんですから💛

可愛いね♡